2023年の出張における5つのトレンド

2022年の第4四半期では、出張需要がちょっぴり減少しましたが、旅行業界の回復に大きな影響を与えるほどのものではありませんでした。2023年は旅行会社にとってもサプライヤーにとっても、興味深い年となりそうです。

FCMコンサルティングのグローバルトレンドレポート(2023年第4四半期)によると、2023年第1四半期も北米が航空会社による座席提供数の回復を先導し、2019年と比べると101%の席数を記録しました。航空運賃は高騰を続けており、2022年における世界の国際線ビジネスクラス運賃は、2019年比で平均15%増となりました。同じく、エコノミークラスの運賃は平均12%高くなりました。

今年、出張を再開し促進していく上で、何を考慮する必要があるのでしょうか。最新のFCMコンサルティング・グローバルレポートに基づき、今後1年間の主要トレンドを5つ紹介します。

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出張体験の強化

1年間の再開と回復期間を経て、旅行業界のサプライヤーにようやく活気が戻ってきました。2023年には出張者の体験に新たな息吹を吹き込み、旅行のオプションをより個人的/個別的に、カスタマイズする方法を模索することになるでしょう。航空会社の新しい販売チャンネル(NDC)のコンテンツから、スマートテクノロジーによってパーソナライズされたホテル体験、旅行者が幸せかつ健康にそして快適に過ごせるように設計された旅行者中心の旅行プログラムまで、「旅行者第一」の精神が更に出張体験へと浸透していくでしょう。

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出張予算の管理に費やす労力が増加

航空運賃やホテル代は今後も上昇し続けることが予想されており、企業は賢く資金を使う必要があります。つまり、TMC(旅行管理会社)と協力してコストを削減する、あるいは少なくとも抑制する機会を見つけることです。企業は航空券やホテルの契約から航空券の管理、出張規定外の費用に至るまで、数々の購入行動/プロセス/管理を見直すことが推奨されます。出発点としては、ベストレートやその日の妥当なレートを購入しているかどうか、旅費がよりかかるピーク時ではなくオフピーク時に移動する選択肢の可否をチェックすることが挙げられます。

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航空券・ホテル契約の変更

航空会社やホテルは、新型コロナウイルス感染症の発生を受け、契約形態の見直しを余儀なくされました。その結果、契約を取り巻く環境は大きく変化しています。航空会社の契約内容も変化していますので、以下のような項目について、精査する必要があります。

  • 支出額基準値
  • NDCの要件
  • 不履行に対する罰則
  • 変更要求

ホテル業界では、NLRA(Non-Last Room Availability)の利用が45%増加しています。宿泊施設の需要が増加し、ほとんどの国(中国本土を除く)のホテルの稼働率が80%以上であるため、契約内容に目を光らせることが重要です。そうしないと、ホテルや都市によっては、最大で30ドルも高い料金を支払うことになるかもしれません。
※LRA:ホテルに販売可能な客室が1室でもある際に、事前に合意された契約内容に伴った料金や割引を適用する事。NLRAはその対義を意味し、この制度を利用しない状況。

Smiling women holding a cup of coffee filling up her car with petrol
企業が持続可能性(サステナビリティ)への取り組みを加速

出張プログラムに、サステナビリティにおけるオプションを未だ検討していないのであれば、今がその時です。FCMコンサルティングでは、Co2排出量の追跡を企業目標に合わせ、カーボンオフセットの枠を超えた指標を設定することをお勧めしています。実際の出張体験を含め、出張プログラムを一気通貫で考えましょう。社員がわずかな変化を起こすことで、地球環境にプラスの変化をもたらすことができるようになるでしょう。例えば、電気自動車の採用を増やす、地元産の農産物を提供するホテルや航空会社を利用する、企業の社会的責任(CSR)や環境社会ガバナンス(ESG)の価値が高いサプライヤーから調達する、などが挙げられます。

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イベントの復活

2023年と2024年のイベント計画が熱を帯び始めています。イベント業界のトレンドとして、企業はよりサステイナブルなイベントを開催し、最初から最後まで参加者を惹きつけ結びつけるための統合的なテクノロジーを活用することになるでしょう。オンデマンド、モバイル、オムニチャンネルのコミュニケーションやコンテンツは、対面するゲストとオンラインのゲストに対応し、多様性/包括性/平等性を強く意識するものです。

新型コロナウイルス感染症による混乱の後、よりシームレスでパーソナライズされた出張という新時代の価値観が到来しています。サプライヤーは、お客様の旅行体験を向上するための時間と活力を得ることができており、ワクワクするような新しい機会を提供することができるでしょう。

Felicity Burke(FCMコンサルティング APAC ゼネラル・マネージャー

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FCMコンサルティングによる世界の旅行動向(2022年度第4四半期)を既にご覧いただいたでしょうか?

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